金庸,「連城訣」
主人公 狄雲(てきうん)は金庸の作品中最も酷い目にあう人物といわれているそうです。確かにほとんど冒頭から冤罪で牢屋に入れられ,拷問を受け,体はボロボロ。しかしそれでは武侠小説にはなりません。同じ牢屋に入れられた囚人から伝授された内功を身につけ,脱獄後自分がなぜこんな目にあったのかその謎を解きます。
金庸の小説はいずれも大長編。ストーリーも大変複雑。その中にあって「連城訣」は筋が単純で短いですね。非常に読みやすかったです。展開も速くおもしろかった。
ところどころの訳語に違和感を感じましたが,私がこれまで読んできた金庸の作品の中で上位に入るものになりそうです。
金庸の作品のマニアが作る「金学」というのがあるんですね。